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便利なようで不便な現代 [畑の風景]

原発事故で思い知らされたのが、電気万能の現代文明の危うさでした。

昭和20年代から30年代前半まではちょくちょく停電を経験しました。電力の安定的な供給体制が整わなかったのでしょう。家電製品がまだ全世帯にいきわたらず、もちろんクーラーなどなかった時代でさえ、しばしば電力不足がおきた時代でした。

そして現代では何から何まで電気に依存してしまい、電気はいつもふんだんにあるもの、という錯覚にどっぷり浸かっていた矢先の計画停電でした。

生活機能不全に陥り、だれもがそれを乗り越える知恵を働かせることができませんでした。世の中、緻密になればなるほどブラックボックス化してしまい、何をどうすれば良いかの判断がつきません。

原発政策を考えるとき、原発肯定派は電力供給不足を理由にあげます。原発否定派は安全を反対理由にあげます。どちらも一理はあるのですが、ある程度の不便さを受け入れ、可能なかぎり電気のない生活に逆戻りしてみるという視点が欠けているような気がします。

一度便利さを体験すると時計の針を逆まわりに戻すことはできないという人がいます。
大枠では確かにその通りだと思います。

しかし、それが総てに当てはまるわけでもないと思います。
具体的には燃料についてですが、暖房はクーラーか石油ファンヒーターですが、石油ファンヒーターは燃料は石油、そして動力は電気です。
しかし、薪が比較的手に入りやすければ、電気と石油に頼らず薪ストーブに代えることも可能です。

幸い日本は亜熱帯に位置し、木は森は、切っても切ってもすぐに再生するという自然環境に恵まれてます。
「トコトコ農園」には電気も水道も引いていないので、水はもっぱら雨水を利用し、調理用の熱源は薪ストーブに頼っています。
農園の周囲は鬱蒼とした林が広がり、毎年間伐や枝打ちをしないと林は荒れ放題になります。

そして切った木や枝はチップ処理加工業者にお金を払って持ち込み、細かく裁断したあと、ご丁寧に市のゴミ処理場にお金を払って持ち込み、燃やしてもらうのです。焼却のときの熱はそのまま大気に放出され、3重のお金と資源の無駄使いがまかり通っています。

電力自由化で電気の買取システムをすすめるならば、同じように薪ストーブ切り替えのため補助金を考えるべきでしょう。そうすれば木を切り出し、販売する専門業者が現れ、たちまち荒れきった日本の森林は再生できるでしょう。杉はどんどん切って、広葉樹に植え替えれば、花粉症対策にもなるでしょう。そのための医療費も激減するはずです。薪ストーブからでる灰は立派なカリ肥料として畑に戻してやります。

薪ストーブは現代人の情操教育にも役立ちます。いい年の大人でさえ火おこしのやり方を忘れています。
火おこしは、小さいものから徐々に大きいものへと火をつけるのがコツですが、はじめから太い木材に火をつけようとして失敗します。
小さいときから火おこしを覚えさせれば、子供によるライター火災事故はなくなるでしょう。火の怖さを知らない子供たちが増えています。オール電化の家の子は火も見たことがありません。灰を知らない子供がいます。

電気万能の便利な生活から多少不便でも、昔の生活に逆戻りするのもまた楽しからずやです。
薪ストーブでお湯を沸かすと、火力が強いのであっという間にわいてしまいます。おきを利用すればことこと煮込む料理もできます。
桜の木があれば燻製もできます。お餅もアットいうまに焼けます。もちろん焼き芋も家庭で手軽に楽しめます。


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今日の収獲 [畑の風景]

関東地方は早々と7月9日に梅雨があけ、夏野菜の収獲の最盛期を迎える。

今日の収獲はジャガイモ、ナス、キュウリ、ツルナシインゲン、モロッコインゲン、ピーマンそして夏野菜の顔というべきトマトを収獲した。

トマトの最盛期はまだまだだが、それでも収獲籠の大きなスペースを占めている。

家に帰ってさっそく野菜カレーを作った。ピーマン、ニンジン、トマト、インゲン、ナス、ジャガイモは「トコトコ農園」のものを使い、カレールーは中辛と甘辛を別々のメーカーのものを組み合わせる。

メーカーによって材料の香辛料が微妙に違っているので、こうしたほうがコクのあるカレーになる。

暑い時は熱い食べ物のほうが体にいいらしい。クーラーを思いっきりかけて消費電力アップに貢献してやった。

東電の陰険な情報隠し、なにが本当でなにが嘘なのか、そんな奴に何もせっせと、くそ真面目に協力することもあるまい。庶民のささやかな抵抗である。

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雪いまだ溶けず [畑の風景]

月曜の夜から降り始めた関東の雪は翌朝まで降り続き、町はスッポリ銀世界に覆われた。

二日たった今日は昼前から陽光がさんさんと降り注ぎ、かなりなスピードで雪を溶かし始めている。黒いアスファルトがほぼ全面的に顔を出し、日陰の部分だけ雪が残っている。

午前中に雪の被害を確認するため、畑に出かけた。
トンネル掛けした畝のうち2畝だけが重い雪に押しつぶされ、支柱の約半分が折れてしまっている。水分をたっぷり含んだ重い雪の威力をまざまざと見せ付けられた。畑はほぼ全面的に雪に覆われ、いまだ溶けていない。

50日間、雨が降らずスナップエンドウはほぼ全滅状態だ。タマネギの生育状態も最悪だ。

この雪のおかげで雨水槽はようやく水位を上げ、半分ほど溜まっていた。順調に雪が溶けてくれれば、土曜日はニンジンとホウレンソウの種を播く予定をしている。

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赤飯と鯛 [畑の風景]

今となっては昔、結婚式といえば「赤飯」と「鯛」がつきものだった。
おめでたのシンボルの「赤飯」と「鯛」だが、結婚式の引き物と一緒に必ずというとほど付いてきた。
折り箱の赤飯は冷えて固まり、もち米が折り箱の底や側面に頑強にへばりつき、割り箸で強引にこそげ落とそうとしてもまず取れない。最後は米の形が変形するか割り箸が折れてしまうか、いずれかだ。もち米とささげ(もしくは小豆)塩とゴマ、いずれが欠けてもしっくりこない。シンプルな取り合わせだが、それゆえ飽きが来ない。

かたや焼いた鯛は鯛の持つうまみが最大限に引き出され、これを野菜とともに鍋にすると
本来は淡白な白身魚が劇的に上品で深い味わいをかもし出す。
「赤飯」と「鯛」のうまさを最高に引き出した調理法である。

最近は結婚式のスタイルの多様化で、披露宴がレストランを借り切って行われることも当たり前になった。評判のフランス料理の店では絶対に「赤飯」と「鯛」は出てこない。
時間と手間をかけたフランス料理も味わい深い料理ではあるが、素材の持つうまさを120%引き出す「赤飯」と「鯛」もまたフランス料理と対極にある奥深い料理だ。

昨日、「トコトコ農園」で秋の収穫祭を行った。メインは蒸篭で蒸した赤飯である。
炊飯器で炊いた赤飯とは一味も二味も違う。余分な水分でねっとりした赤飯とは明らかに異なる。もち米一粒一粒がたっている。

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青空 [畑の風景]

青空。望んで久しい青い空が朝から広がった。
筋雲が空高く、秋を思わせる。

つかの間の秋の予感。
週をまたぐとまた冷たい雨が降りそう。このところの断続的に降り続いた雨で畑の土は水を吸収しきれず、あちこちに小さな水溜りを浮かせている。
作物も人とおなじ、相当ストレスをためているだろう。

ストレスの蓄積で作物が変調をきたす。そこを病虫害が襲う。弱った部位に取り付いて作物を死に至らしめる。
今年の自然は人にも作物にも優しくなかった。地球もまたストレスを抱え込んでいるのだろう。

秋には抜けるような青空が良く似合う。地球が健康であることの証だ。

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焼き芋や兵どもの夢の跡 [畑の風景]

焼き芋は冬の間のお楽しみで、毎週、火・土の2回、作業の合間に食べていた。

器の底に石を敷き詰め、薪の強火で空焚きするので器がすぐに駄目になる。
器はペール缶を利用しているが、とうとうというかやはりというか、底の3分の2くらいの部分に大きな穴が開いてしまった。

一冬で2缶は焼き芋で駄目にしてしまう。ペール缶が簡単に手に入る間はよしとしても、半永久的で丈夫なものが出来ないか、知恵を絞らなければならない。
市販されているものには石焼いも専用の土鍋があるが、大きさはせいぜい3~4本しか入らない。これでは10人分前後の焼き芋は作れない。

ダッチオーブンを使って焼き芋を作っているのをよくみかける。鋳鉄製鍋のいいところは空焚きに耐えられること。ただ欠点は重いこと、意外に衝撃に弱く割れることがあるようだ。
しかしよく使いこなされ、手入れが行き届いたダッチオーブンは黒光りして、いかにも「男の道具」といった風情がある。
ダッチオーブンは焼き芋だけでなく、いろいろな野外料理をするときに使い勝手がよさそうなので、検討の余地がありそうだ。


農園オープン1周年 [畑の風景]

「周年記念」にあまり頓着しないといいながら、農園会員の最長老Tさんに促されて、「トコトコ農園」一周年記念の食事会を今日、4月3日に行った。

言いだしっぺの肝心のTさんは、上野へ花見に出かけ欠席だったが、Tさん、Mさん、そしてHさんを除く24名が畑に集まり、赤飯とバーベキューで祝った。
誰も蒸篭を使って赤飯を炊いた経験がなく、ネットで炊き方を調べ、火曜Gの女性陣ががんばって下準備からすべてを取り仕切ってくれた。結果は上々、うまい赤飯が出来た。もち米5kgで24名分の赤飯が十二分にいきわたった。

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さてもう一方のバーベキューは土曜Gの面々がI調理部長の指示のもと取り仕切ってくれた。鶏肉、ウインナー3種、キャベツ、タマネギ、ピーマン、エリンギ、モヤシ、そして厚揚げも食材に加えて、こちらも食べ残しもなくちょうどいい量だった。
厚揚げの薬味はワケギを畑から少々切ってきて、醤油をたらして食べた。

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赤飯は炊きあがりまで1時間強かかる。その間、手の空いた人にコマツナの収穫をしてもらった。土曜・火曜の両グループが一同に集まったので、ちょうどいい具合に合同のコマツナ収穫になった。

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数名を除いて全員が車で来園しているので、ノンアルコールビールで我慢をするが、運転をしない人には1升瓶が手付かずで残っていたので、日本酒を飲んでもらった。ところが酒好きのKさんの姿が見えない。作業日の3回に1回は前日の深酒の影響で作業を休んでしまうKさんだが、今回はくれぐれも前日は酒を控えるよう、皆の忠告にもかかわらず、朝帰りをして元気がなさそうだった。姿が見えなくなったのは途中でダウンして車に戻り仮眠していた様子だ。

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昼ごろになると青空も広がり気温も上がってきたが、それもほんのわずかの時間で食事会が終わる頃はいつもの曇天にもどり、小雨もときおりぱらついてきた。昨年の今頃はこんなに寒くはなかったような気がする。

2年目の農園はどのような展開がまちうけているのだろう?
楽しみでもあり、寒すぎる春の天候を考えると野菜の出来具合がどうなるのか、一抹の不安もまた隠せない。

「野菜だより」2月号に紹介記事 [畑の風景]

学研の隔月刊誌「野菜だより」に我が「トコトコ農園」の追跡レポートが4ページにわたって紹介された。
昨年の5月から11月までの半年強、こまめに取材に訪れ記事掲載してくれた。

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掲載写真には半そで姿の会員が載っている。畑はビニールトンネルがあちこちに張られ、随分賑やかだ。閑散とした2月の畑と段違いである。

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思えばTさん、Nさんと3人でまだまだ日の短い春3月の夕暮れ、小屋作りをしていたことを思い出す。あれから1年もたたないうちに、小屋を増設したり、大き目のパーゴラを建てたり、がっしりした机や椅子も作り、農園は様変わりした。
昨年末から今年の初めにかけて週代わりにどんどん農園の姿が変わるくらい、急ピッチで施設環境が整ってきた。まだまだ遣り残したこともあるが、そう慌てずにゆっくり進めばいい。
会員も1年の経験を経て、作業手順も飲み込んでくれたし、2年目の今期は基本のおさらいをしながら、しっかりした野菜作りに専念してもらうつもりだ。

春は風が強い。マルチ掛け、トンネル架けをしっかりしないとマルチごと吹き飛ばされてしまう。種まきは個人差があって、発芽しないケースが昨年後半目だった。
基本を大事にしなければ。
新会員も入ったところで、気持ちを新たにして取り組みたい。

霜柱と強風と寒さ [畑の風景]

この一週間、日本列島は強烈な寒波にスッポリ覆われてしまっている。

起きぬけの階下のリビングはこのところ気温10度を大きく割り込み、5度という日がつづいた。そして今朝(2月7日)はついに5度も割り込んだ。
石油ファンヒーターの点火が待ちきれずに、電気ストーブをつけける。さらに同じタイミングでコタツもつけるから、3方向から暖を取ることになる。

そんな話をマンション住まいの友人にしたら、目を丸くしていた。マンションは常に上下、左右の隣家から壁を隔てて暖められているから、いくら寒くても10度は下回らないという。
寒さに耐えられない年齢になったら、駅前のマンションに住み替えるというのもうなづける。

さて一斉暖房で暖かくなった家から畑に出ると、今度は寒風が待ち受けている。風速が1メートルを越すたびに体感温度が1度下がるというから、昨日今日の強風下では体感温度は確実に氷点下となる。
畑の土が強風で舞い上げられ、パーゴラに張ったビニールシートはバタバタと乱舞して、固定していた紐がことごとく引きちぎられてしまった。

トンネルはめくり上げられ、マルチも大きく風でずらされていた。トンネルの裾に土を重石のようにかぶせようと、鍬で土を掘り起すと、土は霜柱混じりでざくざくと鍬の刃先にあたって音を立てる。

2月の畑はなんとも裏寒い。

作業の合間の楽しみ [畑の風景]

作業は週2回、火曜と土曜の二グループに分かれ、午前中2時間程度行っている。

真夏の作業は体力的にかなりきついので、30分ごとに休憩を取るようにしている。
水分は必ず取るようにしているが、スイカの収穫時期にはその場で収穫し、みんなで食べていた。水分と糖分の補給で体がしゃきっとなる。

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冬場の作業はよほどの重労働でない限り、大汗をかくことは少ない。休憩も1回程度で済んでしまう。冬場の楽しみはなんといっても焼き芋だ。鍋に石を敷き詰め、イモを入れておけばちょうど休憩時間の頃に焼きあがっている。アツアツのイモを新聞紙でくるみ、フーフー言いながら、ときおり喉を詰まらせている。

新年度に向けて、再び作りたい作物にサツマイモをあげた人が随分多かった。
こんなに多くの会員がサツマイモを好んでいたとは少々意外だった。しかし、かくいう私もこれまで、サツマイモのシーズンの時ですら焼きイモを食べることはほとんどなかった。

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自分で作ったイモのうまさを再認識できたため、今年もぜひ作りたいと思ったのだろう。
農園では焼き芋にして食べているが、家では圧倒的な頻度で大学イモにして食べていた。
かなり大きなイモでも大学イモにすると一人で軽く1本は食べてしまう。

あまりにも頻繁にアルミ寸胴を使って焼きイモを作っていたので、とうとう鍋の底に大きな穴が開いてしまった。アルミ製の鍋は空焚き厳禁だったことをあとで知った。
寸胴は横浜のS氏から寄贈してもらったもので、大変申し訳ないことをした。アルミは修復できないので、他にお釈迦になった寸胴の使い道を考えることにした。

ところがいい具合に会員のAさんの義弟が業務用のステンレス寸胴鍋をどこからかもらいうけ、「トコトコ農園」に寄贈してくれた。つい最近まで使われていた寸胴らしく、外側にかなり油の塊がこびりついていたが、ナントカきれいになるだろう。以後、鍋の空焚きはご法度だ。

そこで焼き芋専用の道具を見つけてきた。自動車修理工場などでよく見かける、オイル缶を手に入れ鍋代わりにすることにした。しかし、寸胴よりはるかに厚みのないオイル缶なので、いつ穴が開くか解からない。

不安を抱えながら、次回オイル缶での焼きイモをやってみよう。

ダッシュ村は男の潜在願望 [畑の風景]

男の子には映画「20世紀少年」に出てくるような秘密基地つくりに夢中になる時期がある。
長じて大人になると「男の隠れ家」とか「男の書斎」にあこがれる。

なぜか男には一人だけの空間をほしがる癖がある。
「女の隠れ家」とか「女の書斎」はあまり絵にならない。男は孤独を望む瞬間があり、女は群れることで安定を求める時がある。

TVのダッシュ村には男の潜在意識をくすぐるような要素がいっぱいちりばめられている。
自分ひとり、もしくは気のあった仲間と世間から逃れ隠れるような、空間に対する根強い願望がある。

隔絶された空間で自己完結的に過ごすには、衣食住すべてをこの空間の中で自給自足するのが理想だ。家を作り、食糧も作る。服や靴を自分で作るのは難しいから、食糧と物々交換で手に入れる。

「トコトコ農園」は丸太を針金でつなぎ合わせ物置小屋を手作りした。現在はその物置小屋が手狭になったので、ほぼ倍の大きさに増築した。材料は木造大型福祉施設の工事現場に掛け合って、大量の廃材を貰い受けてきた。

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廃材のなかには建設会社の資材発注間違いで新品の平板、150本も含まれていた。
買えばおそらく10万円はくだらないだろう。新品の平板を使い、ウッドテーブル、長椅子など、いろいろな家具を作ることができる。秘密基地の施設はどんどん充実していく。

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所沢一帯は都心よりも3度は気温が低い。冬に入ると、霜柱は畑といわず通路の土まで持ち上げ、日が高くなる頃には、霜が解けて畑一面ドロンコ状態になる。
いまは仕方なく、使い古した毛布やら厚手のシートを敷いてなんとかやり過ごしている。

毛布やシートに代わるものを探していたが、木材チップを敷き詰めれば問題解決するのではと思いついた。
近隣で間伐材をチップにする企業があり、チップを無料でもらえないかと交渉してみた。
意外に交渉はスムーズに行き、運賃も相手負担で畑に運びこんでくれることになった。

この企業はチップ加工処理を受託し、加工済みのチップは逆にお金を払い産廃として処理を委託しているようだ。最終的にチップは市の焼却処理場でお金をかけて燃やしている。
なんと壮大な資源の無駄使いをしていることか。

かつて保温資材として使われていた稲藁や籾殻はビニールマルチに変わり、トマトやナスを支えた竹は鋼管竹に取って代わられた。
「トコトコ農園」の周辺農家の竹林は人手がなくて、荒れるにまかされている。昨春、真竹を切り出し、ナスやピーマンの支柱に使った。使用済みの竹材はこの冬、ブロック竈のたきつけ材として重宝している。

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化学合成製品の最終処分はもてあますことになるが、自然の素材は徹底して最後まで使い切ることが出来る。

ついに軽トラを手に入れる!! [畑の風景]

農家に一台、以前よりK子さんから、そういわれて軽トラを買うことをすすめられてきた。

でもね、車検費用や任意保険、中古だとメンテナンス費用など維持費はそれなりにかかるのよ。
今回の小屋の増築も材料は目いっぱい廃材を活用したが、それでもそれなりのお金は出て行く。
いや~世の中不景気、トコトコ農園も台所事情はなかなか厳しい。

そんな矢先、私のゼミの後輩で、横浜で私立の市民農園を手広く展開している「ドミタス農園」のS社長が「先輩、軽トラいりません。ただであげます!」といってきた。

根が卑しい私は「タダ!」と聞いて、二つ返事でいただくことにした。
横浜の青葉台まで、いまから車を受け取りにいく。あいにくマニアルなので、ずっぽり40年、オートマに慣れ親しんでしまった私にはマニアル走行が出来ない。
そこで、Yさんに同乗願い、一路横浜の青葉台までとりに行くことに。

この顛末は明日の更新でレポートいたします。

一枚の氷から想うもの・・・ [畑の風景]

最低気温が氷点下前後になると、バケツにたまったの水が途端に凍りはじめる。

池の氷は岸のほうから順次真ん中にかけて凍りはじめる。
バケツの氷ももちろん同じで真ん中が薄い。

暖をとるため、ブロックで作ったにわか竈に惜しげもなく廃材を放り込む。作業が終われば、必ず火を消して帰るが、水の代わりにバケツの氷をそっと置いてみた。
真っ赤なおきの上に氷を置くと、すぐに溶け出すかと思いきや、氷はなかなか解けない。

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しばらくすると中央部分が徐々に薄くなっていくのがわかる。氷にぽつんと小さな穴が開き、その穴がゆっくり大きくなっていく。
穴が広がりきると上半分がごそっと崩れ落ちた。しかし周りのおきは真っ赤なままだ。一方、氷も残った下半分が厚いままだ。

氷は意外に熱に強い。氷の周辺の温度は気化熱に影響されてか、思った以上に低いまま保たれているのだろう。

こんなちっぽけな氷が強い火のすぐそばでも、なかなか解けない。
しかし極地の氷が温暖化の影響で溶け出している。溶け出して海に漂う氷山はちっぽけな南太平洋の島以上にでかいものもある。

やはり地球という巨大な球体全体がまったり温められているのだろう。極地周辺の冷たい空気といえど、どんどん温められている。地球温暖化を実感するには極地の溶け出す氷を見れば一目瞭然と教えられた。

バケツのちっぽけな氷からでも温暖化の速さを連想することはできる。

ほぼ完成に近づいた物置小屋 [畑の風景]

カラートタンを屋根に張ってから、ベニア合板で壁を作る。

外見はこれで完成、これから内装を手がける。
内装なんてかっこいい言い方だが、廃材のなかからちょうど良い平板を探し出して、棚を作るだけの話だ。
とにかく支柱といい、棚といい、廃材を使ったつぎはぎの連続だから、釘をやたらと使う。

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箱買いした釘があっという間になくなりかける。
Yさんと顔を見合わせ、減りの早さに感心しきりだ。それと例の譲り受けたリヤカーと一輪車を雨による錆つき防止のために軒を作った。支柱は林の手入れをしたときに切り倒した杉の間伐材を用いた。天然材の微妙な曲がり具合が、いかにも手作りといった風情である。

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壁に使ったベニア合板はそのままにしておくと、傷みが早くなるのでペンキ塗装をする予定だ。この作業は来年に持ち越すことにした。


農作業の必需品 地下足袋 [畑の風景]

農作業の三種の神器といえば軍手、帽子、そして地下足袋の三つを推薦したい。

地下足袋といえば地下足袋メーカー「力王」を連想する。「力王」の市場シェアがどのくらいなのか正確な数字は知らないが、ホームセンターには必ずといっていいほど、「力王」製品が売られている。

畑作業で地下足袋が不可欠なのは、まず土が全くといっていいほど中に入らない。つまり靴下がほとんど汚れない。長靴は結構、内部が泥で汚れ、頻繁に水洗いが必要だ。
それと地下足袋は足にぴったりフィットするので、動きやすくより素足に近いので、危険を未然に感知することが出来る。特に危険が隣り合わせになっている工事現場では安全性において地下足袋は群を抜いて優れている。また足にフィットするということはそれだけ疲れない。ただしすべていいことずくめでもなく、今日のような底冷えのする日は大地の冷たさが、足の裏からジワ~と伝わってくる。

「力王」の創業は戦後の23年だが、地下足袋の歴史は江戸時代まで遡る。室内用の足袋のよさを野外作業に用いたのが始まりで、当時の靴底はゴムの代わり革で作られていた。
ゴムが使われ始めると、福岡県久留米市の月星化成という靴メーカーが現在の地下足袋を最初に作ったようだ。ちなみに月星化成という会社から分かれたのが世界のタイヤメーカー、ブリジストンだ。

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地下足袋は農業、建設業、林業など野外作業の分野で威力を発揮するが、一般向けには神輿かつぎの必須アイテムになっている。
機能的に優れている地下足袋は日本独特のようで、六本木界隈でよく売れているという話を聞いた。もっぱらの購入者はヒルズに勤務する外国人だ。ジョギングのときに愛用しているのだろうか。

私の地下足袋はくるぶしまでの長さの短靴型のもので、買ってからもう2年はたつだろう。ほころびなど一切なく、実に丈夫な優れものだ。

小屋作りの進捗状況 [畑の風景]

物置小屋が手狭になり、建築廃材をうまく使って小屋の増築に取り掛かった。

出来れば年内に完成させて新たな気持ちで新年を迎えたい。
Yさんとともに、ほぼ毎日資材を買いに出かけたりしている。長く使えるものを作ろうとすれば基礎をしっかりしたものにしたほうがいい。

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支柱は足場材だった丸太の流用を考えていたが、1メートル長の廃材の角材を3本つなげて支柱にした。相当がっちりしたものになった。
支柱をつなげる梁、横木にする垂木、屋根のカラー波板、壁にするベニヤ合板、材料はすべて揃え、今日までで屋根を波板で覆う作業まで終えた。

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年末まで残り2週間、壁を取り付ければ格好がつく。その後は内部に棚をつけ、リヤカーを雨から守るため庇をのばすような細工をすればよい。
何とか年内にはすべて完成できるだろう。

農園の忘年会 [畑の風景]

午前中の作業で林の手入れをし、いい汗をかいた後、夜は制限時間2時間、飲み放題の忘年会だ。

私を含め所沢市民の多くが「埼玉都民」で、これまで極端に地元で飲む機会が少なかった。
農園の会員は一人を除き全員が所沢の住人だから、忘年会会場も必然的に所沢駅周辺に限られる。大手居酒屋チェーンならどこにでもあるが、店を選ぼうとすると情報はぐんと少なくなる。

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店選びに迷っていると、あるホテルの宴会担当から直接私のところに電話がかかってきた。
7品のコース料理で飲み放題、それで税込み3000円というから、どうせ安かろうまずかろうだと思い込んでいた。後日パンフレットが郵送されて、コース料理のメニューを見ると、それなりの質とボリュームだった。

味のほうは食べてみてからでないとわからない。一抹の不安を残しながら会場に乗り込んで、7品を味わったが、なかなかのもんである。

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マグロと鯛のカルパッチョ+握り寿司とお新香のオードブル、デミグラソースのチーズオムレツ、若鶏串焼き、白身魚のチリソース炒め、ベーコンとホタテのグラタン、ここまででお腹はかなりパンパン状態だ。
最後はキムチ鍋に〆はうどん、そしてコーヒーでエンド。うどんは量も多く、さすがに食べ切れなかった。
さらに、これでもかっ!とホテル側のサービスでミニケーキとカットフルーツの差し入れまでついてきた。

安い、安い、これで来年の新年会会場は決まったようなもんだ。駅前のイルミネーションをバックに記念撮影の後、コーヒーを飲みにいくグループ、カラオケでもう一杯の二手に別れ忘年会は終わった。

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いけない!特典土産の「備長炭、1,2kg」をもらい忘れた。

サトイモ、サツマイモの収穫 [畑の風景]

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今日、11月10日がサトイモの初収穫日になった。

サツマイモは何度か取り上げたように、出来はよかったが、サトイモもこの地域一番の特産品で特に今年は成長期に雨に恵まれ、よく育った。

今月の23日に秋の収穫祭を予定しているが、このサトイモを使った「イモ煮」がメインの料理になる。この頃にはダイコン、ニンジンも育っていそうなので、ネギも収穫して、イモ煮の材料はほとんどまかなうことができる。肉とこんにゃく、豆腐ぐらいを買い足せばいい。

サトイモは会員一人当たり5株の収穫割り当てを考えている。
1株で40個以上のイモがついているので、いっぺんに掘ってしまうと、一人200個以上の収穫になってしまう。そこで今後何回かに分けて収穫することにした。

記念写真用に一人一人サトイモを掘ってもらった。
12月発売号の「野菜だより」(学研刊)に「トコトコ農園」が大きく取り上げられる予定で、今日はその取材を受けた。写真は取材の様子を「逆取材」してみたものだ。


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急斜面の畑 奥秩父・大滝村 [畑の風景]

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秩父の山奥、大滝村に行ったときの写真だが、山の急斜面に人家と畑がずり落ちないようにへばりついている。こんな急斜面の畑でも鳥獣対策でしっかりフェンスで畑全体を囲んでいる。

畑の耕し方は山側に背を向け、土が谷側に落ちないようにほりあげていくのだそうだ。
雨が降れば土は流れ出してしまう。雨上がりの作業は流れた土をまた元通りにするのだろう。
雨が降らなければ困るけど、降ったら降ったでまた心配の種が増える。険しい条件下で営々と耕してきた農家の苦労は容易に察することが出来る。

斜面の畑を覗き込んでいたら、柴刈りを終えた爺ちゃんが横を通り過ぎた。
一瞬タイムスリップしたような感覚を覚えた。意外に足取りは確かで速く、すたすたと見る間に姿を消した。

タイムマシーンで元の世界に舞い戻ったのかもしれない。


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カメムシとスギ花粉 [畑の風景]

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どうしてこれほどまでに花粉症に悩む人が増えたのだろう。

私の妻は花粉症患者の元祖的存在で、顔の半分くらい隠れるマスクに月光仮面のようなサングラス、髪の毛に花粉がつかないように目深に帽子を被り、自転車で街中を疾走していたが、その姿は実に異様だった。

あれから二十数年がたち、薬のおかげか、花粉の抗体が出来たのか、今は以前のようなひどい症状ではなくなった。

杉のあるところにはカメムシが増えるという。スギ花粉をカメムシが好んで食べるからだ。
カメムシは畑に来ると大豆にいたずらをする。マメのエキスをドラキュラのように吸い取ってしまう。

私自身はいまのところ花粉症とは全く無縁だから、花粉症のつらさを知らない。
春先の花粉症の時期にくしゃみをすると、花粉症を抱えている人はすぐ「あっ!花粉症だ」と、うれしそうに仲間に引き込もうとする。

高相被告はのりピーを大麻に誘い込んだが、私は花粉症の仲間には絶対入らない。確たる自信はないけれど。
馬鹿げた発想かだが、カメムシは絶対花粉症にはならない。それどころかスギ花粉を食べてしまうほどだから、強力な抗体を身に着けている。カメムシをじっくり乾燥させて、すり鉢でミクロンの単位にすりつぶし、飲みやすいように糖衣錠にして花粉症患者に飲ませたら、花粉症が劇的に治るかもしれない。

人間眠くなると、ろくなことしか思いつかなくなる。早く寝よっと!

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畑が猪に荒らされる! [畑の風景]

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農家にとって猪の悪食ぶりは脅威だ。
なにせ根菜、葉ものを問わず、一晩で畑の作物がブルトーザーで掘り起されたように影も形もきれいになくなっている。

一昨日、埼玉グリーンツーリズム協議会の定例会議を飯能市の奥に位置する旧名栗村で行われ、参加してきた。
そこで近くの畑を見学したが、「トコトコ農園」とはかけ離れた光景だった。
畑は頑丈な鉄製の支柱としっかりしたネットでスッポリ覆われ、その上ご丁寧に畑の周囲はトタンの波板で囲われていた。

鳥獣害対策に苦慮する中山間地の畑は動物園の獣舎を連想させる。カラス、ハクビシン、イタチ、鹿、そして猪、頻繁ではないが何年か前には熊も出たそうだ。同じ埼玉県でも西部と東部では景観が月とすっぽんほど違う。
春日部で20ヘクタールの大規模な田んぼで米つくりをしている女性の役員はあまりの光景の違いにため息混じりに感心していた。

人間を困らせるのは猪だけではない。畑といわず家の中まで侵入してくるのがニホンザルだ。野良仕事を中断して昼食に家に戻ると、冷蔵庫を開けて小さな孫が何かを食べている。よくみると孫ではなくサルだ。びっくりしたばあ様が血相を変えて庭に飛び出した。
スーパーにもサルは現れるという。耳を疑いたくなるが、レジ袋に盗んだ食べ物を入れて逃げていくという。そのうちレジ袋からマイエコバック片手に堂々とスーパーを荒らしに現れるかもしれない。

サルは頭がよすぎる分、人間にとっては厄介だが、厄介を通り越して人間が恐怖にさらされた話を聞かされた。
地元の大工が屋根に上って仕事をして、ふと目を上げると鼻先にサルがいたのでびっくりして手にしていた道具でぶん殴った。数日後、その仕事場に仲間のサルを大勢引き連れお礼参りに来たそうだ。
一定の距離を置いて大工が一歩退くと、サルは一歩前に出る。威嚇して大工が一歩前に出るとサルが一歩退く。しばらく双方は対峙していたが、気味悪くなった大工が車に飛び乗ると、サルが一斉に車に向かって石を投げ始め車体はボコボコにされたという。

サルをはじめ山の生きものにとっては人間が“害人”なのかもしれない。笑い話のようでちょっと考えさせられる話でもある。


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物置小屋の整理 [畑の風景]

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今年3月にスタートした「トコトコ農園」は徐々に農具や資材、肥料の買い置きが増えて、物置小屋が手狭になってきた。

トマト畑を整理すると支柱の置き場所が必要になり、狭いスペースが一気にさらに小さくなってしまう。手作りの支柱置きを並べてみると、随分すっきりしてきた。
それでも結局、一輪車はスペースを食うという理由で小屋の外に追いやられた。

そろそろ小型耕運機を購入する必要が出てきたが、小屋の整理整頓をうまくやらないと、なおさら手狭になってしまう。

そこで平面が窮屈になれば立体空間をうまく使う必要にかられ、組み立て式のラックを2セット買ってきて、収納してみた。

写真はそのラックを使って整頓したものだが、すっきりした様子が画面からは微塵も感じられない。これでも随分床のスペースが空いたのだが・・・

サツマイモの花 [畑の風景]

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5月16日に植え付けをしたサツマイモはつるがどんどん延びて、隣接して植えているイチゴを飲み込みそうな気配だった。

そこで伸びすぎたつるの先端を切り、つるから白い根が土に伸びてきていたのを、引き剥がした。
つるの勢いをみていると、つるボケを心配するくらいだ。

会員からサツマイモの花は咲くのかどうかを尋ねられた。私自身はサツマイモが花を咲かせているところを見たことはない。

そこで帰宅して気になったので調べて見た。
それによればときおり花を咲かせることもある、ということだった。ジャガイモが薄紫の花を咲かせるくらいだから、サツマイモも花を咲かせてもおかしくはない。ジャガイモもサツマイモも花を咲かせようが、咲かせまいが、食べるところは地下茎だから花は無関係である。

それもあってか、サツマイモに花が咲くかどうかは思いも及ばなかった。花より団子ですね。
ついでに里芋にも花が咲くかどうかも調べてみた。これもやはり花を咲かせるのだそうです。水芭蕉の花に似たもので、里芋も水芭蕉も同じサトイモ科だそうです。納得!

写真上がジャガイモ、下がサトイモ

手作りネームプレート [畑の風景]

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年間30種類以上の作物を作る「トコトコ農園」だが、その大半はポピュラーな作物で、大きくなればほぼ誰が見てもなんの野菜かはわかる。

ただし、双葉くらいではなかなか判別しにくいものもある。そこで、作付け図を作り、会員にはその都度メールで流している。

始めは園芸店で売られているネームプレートを畝の前に挿していたが、あまりにも小さくて目立たない。プランター用のものだから無理もないが。

そこで、建築材のはぎれを利用してネームプレートを作った。会員はもちろん、見学のための来園者にも便利になるだろう。

書かれている文字もそれなりに格好がつけばもっといいのだが・・・・。

夏のシンボル [畑の風景]

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畑の脇に何種類かの花の種を播いた。

その中のひとつが向日葵だ。直径40センチ以上の大きな花がその重さを支えきれずに、頭をたれている。

隣の畑のHさんが、その向日葵をさして種を食べるために、植えたのかと聞いてきた。
Hさんは例の食べられる雑草「スベルフユ」のことを教えてくれた人だ。それを「トコトコ農園」の会員が実際に食べたことも知っている。

だからてっきり向日葵も食用のために育てていると推測したらしい。
もちろん食用ではなく、観賞用で育てている。

向日葵の種を食用にしているアメリカ、中国だが、日本人はなぜか積極的に食べる習慣がない。食に関しては貪欲で、けして保守的でない日本人が、なぜ向日葵の種だけは手を出そうとしないのか?

実が少なく殻を食べているようで、食べ物としてあまりぴんとこない。あるいはきれい好きな国民性から、あたりかまわず食いかすを吐き出すのは衛生上好ましくないと感じているからだろうか。

夏の青空に向日葵の黄色がよく似合う。桜が入学式で向日葵は夏休みを連想させる。
向日葵を見て食欲をそそられる日本人はほとんどいない。

カブトムシの事故死 [畑の風景]

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「トコトコ農園」の周囲にはこんもりとした森に近い林が点在している。

この辺の人たちはこの林を“やま”と呼んでいる。“やま”にはオオタカが生息し、ときおり農家の鶏を襲う。春先には畑を猛スピードで走りぬける雉を何度か見かけた。

このところ目に付く昆虫は赤とんぼ、そして塩からとんぼも姿を見せ始めた。
大型の昆虫ではカブトムシもよく目にする。先日は水分過剰で割れたスイカに二匹のカブトムシが入り込み、体を真っ赤に染めながら甘い汁をすすっていた。

掴まえて女性会員のAさんのお孫さん用に持って帰ってもらった。別のカブトムシがトマトのネットに絡まって、気づいたときは死後何日もたっていた。大原麗子の孤独死を思い出す。
長野県の松本市で収穫寸前のぶどうが大量発生したカブトムシに食べられたという記事が載っていた。温暖化の影響で、表土が凍らず幼虫の大半が生き延びたのが原因らしい。

広大な畑が広がる下富地区 [畑の風景]

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「トコトコ農園」のある場所は所沢市の下富地区である。
三富(サントメ)地区は上富、中富、そして下富からなる。そして下富はお隣狭山市に隣接している。

江戸時代に荒涼とした武蔵野台地を切り開き、江戸市民の台所を目的とした開拓地で、現在も東京の近郊農業として生き延びている。
三富地区は開拓当時の原風景がまだまだ残っているが、短冊形の5町歩を単位とした広大な農地が広がる。

ものの本を読むと、開拓から数年は満足な作物が育たず、開拓に入った農家は相当苦労したらしい。現代でも一旦休耕地となって人の手が入らなくなると、元の肥沃な農地に戻すには年単位の時間がかかる。

開拓は今風に言えば、県が大規模農地の開発を計画し、広く入植者を公募した。入植を希望した家は数年間は農業収入も当てにできないことを覚悟で応募したと思われる。
食い詰めた挙句の入植ではなく、ある程度以上の資産のある家が入植したものと考えられる。

「トコトコ農園」に向かう「十四軒」通りの1本裏の道沿いには、立派な農家が点在している。畑も広いが屋敷地も驚くほど広い。このあたりは里芋とお茶の生産地として知られている。
大半の野菜農家は少品目、大量生産で里芋、ニンジン、ホウレンソウのような葉もの、ダイコンなどに絞って作っている。見渡す限りの里芋畑やニンジン畑があちこちに広がっている。

写真は立派な建物が点在する下富地区では畑一面にニンジンが整然と植えられていた。

食べられる雑草 [畑の風景]

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畑の一画でキャベツの苗を育て始めた。年内収穫用のキャベツの準備だ。

そのため一日一度は水遣りに畑に出ている。しばらくぶりで隣の畑のHさんと顔をあわせた。
立ち話で雑草の処理に苦慮している話をすると、ジャガイモの跡地にびっしり生えている雑草を指差して、「この雑草、食べられるそうですよ」

Hさんの知人の情報によれば、さっと湯がいて食べてもいいし、赤っぽい茎を乾燥させ、野菜の少ない冬に水で戻し、蕨のような調理法で食べられるそうだ。

いやいや意外な話を聞かせてもらった。帰ってネットで調べてみると正式名は「スベリフユ」といい、山形あたりでは「ヒュウ」というそうで、立派な食材として知られているらしい。

ひとまとめにして「雑草」などとありがたくない名前でくくられ、目の敵にされて引き抜かれ、ゴミ捨て場に捨てられてきた「雑草」が食べられるなんて、知る由もなかった。
湯がくとモロヘイヤのように粘り気がでて、おいしいという。一度試してみよう。

残りは乾燥させて、山菜風に食べてみるのも面白い。

<参考までに>
スベリヒユ(滑莧; 学名: Portulaca oleracea)は世界の熱帯から温帯にかけて幅広く分布する多年性植物。 茎は赤紫色を帯び地を這って分枝、葉は長円形の肉質で互生し、夏期、枝先に黄・白・赤色の小さな花を咲かせる。
乾燥耐性があり、畑や路傍など日当たりの良い所に自然に生える。 農業においては畑作の害草として知られ、全般的に執拗な雑草として嫌われる傾向にあるが、地域によっては食料として畑作もされる。
同科にマツバボタンなどが知られる。

農作業の暑さ対策 [畑の風景]

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何もしなないで家にいても、暑さで食欲が落ちる夏。

ましてや、戸外で直射日光を浴びながら、3時間近くの農作業は想像以上に厳しい。
高齢者の多い体験農場では特に気をつけなければならない。
水分と塩分補給、それに適度な休憩は必須条件だ。

「トコトコ農園」では30分の作業の後は10分の休憩を心がけている。これでも随分、疲労度は改善される。水分補給は各自、ボトルを持ってきてもらっているが、このところの暑さではボトル1本ではとても間に合わないくらいだ。

塩分補給はなかなか気づきにくいが、料理の得意なIさんが、お手製のキュウリのQちゃん漬けを持ってきてくれて、随分助かっている。

昨日、炎天下で「田んぼの草取り」を行った。総勢50名を超えたが、小さな子供も大勢参加してくれた。
1時間弱の草取りで元気のいい小学校低学年の男の子が、急に体調を崩して父親に抱かれて休憩所に飛び込んできた。
熱はなさそうなのだがぐったりと顔色も悪い。すぐに氷で頭部を冷やし、部屋も冷房を強めにして寝かしたが、ぐったりしたままだ。

すぐ近所に病院があったので、即、医者に見てもらったが、やはり軽い熱中症だった。点滴をして30分もすると顔色もよくなり、元気になって事なきを得た、と母親から連絡があった。

十分な睡眠とその日の体調を考慮しないと、やはり元気な子供でも無理はできない。
ましてや高齢者の多い「トコトコ農園」も十分注意をはらうことを学んだ一日だった。

写真は田んぼ脇でおしっこをする男の子、この子が熱中症で倒れた

緑肥の力を借りてみようか? [畑の風景]

アフリカンマリーゴールドの種をトマト、ナス、スイカの周辺に播いて、背丈も60センチ以上になった。そろそろ花が咲いてもいい時期になった。

アフリカンマリーゴールドはコンパニオンプランツの役割に加え、色鮮やかな花を鑑賞できるので種を播いた。そして花を観賞した後には、すきこんで緑肥としても活用できる。
一粒で三度おいしい、マリーゴールドだ。

8fcde5f374ec2b00.jpg7月からは秋冬野菜の種まきと苗つくりをする。作付けの場所には余裕があるので、すでに収穫を終えたトウモロコシ、枝豆、ジャガイモ、ダイコンなどのスペースの大半が来春の作付け用として休ませる予定である。
そのままにしておけば畑は再び雑草の天下となって全面覆われてしまうだろう。

c5d542926956c32a.jpgそこで、花を観賞できて、なおかつ緑肥として活用できる植物の導入を検討することにした。いまのところレンゲソウとフェアリーベッチのどちらかを考えている。
どちらもマメ科で窒素の補充にもなり、この秋に種を播けば来年の春から初夏にかけて花を咲かせる。

雑草の抑制効果もあり、雑草とりの悩みからも開放してくれる。

写真はレンゲソウ

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