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「オシムの目」より抜粋 ドイツ・スペイン戦を振り返る [サッカー]

7月8日の早朝、W杯準決勝、ドイツ対スペインの試合が終わり、その直後に当ブログに
「ドイツ、戦わずして敗れる」という感想を書いた。

すると7月9日付朝日新聞朝刊に「オシムの目」というインタビューコラムが「あの躍動どこにいった」のタイトルでドイツ対スペインの感想記事が掲載されていた。以下はそのコラム記事からの抜粋である。

「残念だったといわねばならないのが残念だ。2008年欧州選手権決勝と同じカード。欧州王者のスペインと、若返りに成功したドイツの対戦とあって期待したが、裏切られた。
スペインが勝ったのではなく、ドイツが負けた試合だ。
躍動していたドイツはどこにいったのか。大事な試合で立ち上がりは慎重に入るところまでは理解できる。スペインのパス回しに圧倒されても、いつかは反攻に出ると期待していたが、有効な手立てを打てずに終わってしまった。
-----中略--------
ドイツのレーウ監督は若いが知性的で、相手を良く研究するタイプだ。あまりにスペインを研究しすぎたために、長所を出すことを忘れてしまったのか。初めから延長とPK戦を狙っていたわけではないだろうが、もっとリスクを犯して攻撃すべきだった。
スペインにも素直におめでとうと言う気にはなれない。W杯直前までは高い技術と組織的な連動性でよいサッカーをみせていた。しかし、初戦で守備的なスイスに崩せずに敗れると、ひどい有様になった。よくここまで勝ち進んでこれれたものだ。
-------中略---------
スペインらしい崩す攻撃が見られたのは、後半の2,3度だけだ。プジョルのゴールは、背の高いドイツ相手では不利なはずのセットプレーからの空中戦という、本来スペインが得意としていない形なのは皮肉なことだった。
とはいえ、こんな試合からでも学ぼうと思えば何か学べる。両チームの技術の高さだ。まるで手で扱っているかのようにボールをコントロールし、正確にパスをつなぐ場面が見られた。ワンツーでパスを出し、スリーで相手に渡してしまうことの多い日本選手は、大いに参考にしてほしい。」と結んでいた。

オシムの目はいつも厳しくシニカルだが、ドイツが自らの長所を出さずじまいで敗退したという点でドイツ・スペイン戦の総評は私の「ドイツ、戦わずして敗れる」という見方と基本的に一致していた。
また日本とサッカー一流国との決定的な相違は守勢から攻撃に組み立てるとき、日本は苦し紛れに前線にただただボールを蹴り返すだけで、ボールをつなげようとする余裕がない。
スペインもドイツも、自陣ペナルティーエリア内で相手ボールを奪うと、そこでパスを丁寧につなぎ、攻撃に転じてしまう。

これが出来るのはボールコントロールに絶対の自信を持っているからだ。周りを良く見て落ちついてパスをつなげるのは高い技術の裏づけがあるからだ。日本が惨敗した4年前のドイツ大会前後、ジーコ、中田ヒデはじめ多くの人が日本選手のテクニックは世界的にも高い水準にあると公言してはばからなかったが、何をもって高いというのか私には皆目理解できなかった。
彼らの過信があの惨敗につながったとさえ私は今でも思っている。

日本と世界の差はまだまだ厳然としてある。4年後のブラジル大会こそ念願のベストフォー進出というのはまだまだ気が早い。


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