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計画停電で思うこと [身辺雑記]

地震の影響で東京電力がドタバタで発表した「計画停電」だが、なんとも稚拙な対応策できわめて評判が悪い。
 
評判の悪さの原因は時間的余裕のなさを割り引いても、事前告知のタイミングと告知内容が十分練られた最善策とは思えないことにある。

東電と政府間でリスクコミュニケーションがきちんととられていたかという疑問。
福島原発事故の公式発表を聞いていると情報の一元化不足による情報の錯綜、情報そのものの信頼性への疑問、一般人が理解できるような情報内容が内部で検討されていたかの疑問、公式会見者のコミュニケーション能力不足、これらは「計画停電」対応策にも現れている。

印象としては東電側が一方的に対応策を押し付けてきたように感じる。即刻対応に重点が置かれすぎて、きめの細かい、配慮の行き届いた対応策には到底思えない。
東電側の事情に合わせ機械的に計画を立てたようだ。電力業界と同様、鉄道業界もまた社会性が高い。事前に鉄道各社と十分な検討をした形跡が見て取れない。一般家庭も公共施設も被災地域も、公共交通機関も総て機械的に一律に線引きしたようだ。

電力を受け取る側にはそれぞれ事情と要望がある。それを逐一聞いていては収拾がつかないというトップの判断が影響しているのだろう。日本の産業を支えてきたという電力業界の自負とおごりが見え隠れする。上から目線というか「素人は黙って指示通りに動けばいいんだ」、そんな居丈高な意識がありやしないか。

よく言われることだが、全世界ひろしといえど、大災害や大事故など社会が騒然としたとき、いわゆる火事場泥棒的な略奪・暴動を引き起こさないのが唯一日本だけである。相互扶助の精神が日本社会の伝統であり、美徳であり、社会的な強さになっている。裏返せば日本ほど自助努力を惜しまない社会はない。自己責任、自助努力は欧米の専売特許ではけしてない。

東電は今回の「計画停電」策を立案するに際し、日本社会の特性を見誤った。
結論を急げば、東電は供給総量(能力)を地域社会全体にきちんと開示し、需要量とのギャップを数字で示すことだ。需給ギャップを埋めるのは電力を受け取る側に基本的にはゆだねるべきだ。東電がやるべき事は地域社会全体で具体的な数値目標と対応策を、企業、公共機関、商業施設、一般家庭別にきめ細かい指示をだすだけでよい。
あとは個々の自己責任と自助努力と相互扶助に期待すれば「計画停電」はうまくいくはずだ。






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おじゃまま

細かい指示のほうがいい、というのはなるほど〜と。
確かにテレビもラジオもインターネットもあるし、
「いま現在の需要と供給」とかを
情報として流し続けるほうがいいかもしれませんね。
by おじゃまま (2011-03-18 22:11) 

nougyoujin

おじゃまま さん
毎日時間帯が変わるし、突然中止になることもあるし、とにかく予定がたてづらくこまっています。
せめて1週間単位で時間帯がきまったほうが楽ですね。
悪評プンプンの「計画停電」ですが、根本的に見直しが検討されてるようです。
by nougyoujin (2011-03-18 22:50) 

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