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寒い春、雨そしてまた雨 [身辺雑記]

二日続けての寒い雨。
畑にも出られずたまった事務処理を片付けても、なお時間が余る。

途切れ途切れに読み進む本を引っ張り出し、腰を落ちつけて読書再開。その本の名は「人間臨終図巻 1」(山田風太郎著・徳間書店刊)マレーシアに移住した友人に勧められ、帰国してから買い求めたものだ。

副題は十五歳―五十五歳で死んだ人々、古今東西、歴史的著名人から犯罪人までの臨終を簡潔にまとめてある。
死因で最も多いのが肺結核。ほんの数十年前まで肺病は不治の病だったことが良くわかる。
それと実に若くして死んだ人の多いこと。そして意外な交友関係の発見が面白い。
作家、絵描き、歌人といった芸術家たちの生き様と死に様の苛烈さには心臓が締め付けられる。

21日は午前中から出かけて、妻方の墓参りをする。谷中の「朝倉彫塑館」のちょいと先の寺だが、花と線香を手向けて日暮里駅に戻る途中で谷中銀座商店街へと坂を降りた。
なんてことも無い肉屋の店先で売られているコロッケに人が並んでいる。訪れたタレントたちの色紙をこれ見よがしに並べて客寄せの宣伝に利用している。

昼時だが今度は私のほうの番なので、総武線の平井駅へと向かう。この寺は江戸五不動尊の一つ「目黄不動尊」をまつる寺で私の父が眠っている。
お彼岸の割には人手が例年より少なめだ。早朝まで吹き荒れた突風の後始末に追われ、墓参りは明日へと持ち越した人が多かったのだろうか。

そして午後三時からは59歳で世を去った高校の親友Mの墓参りである。級友3人と総武線、新小岩駅で待ちあわせた。目指す寺は駅から20分近く歩かねばならない。
水族館勤務だったMは「ペンギン館」新設の仕事を残してがんで倒れた。墓の前にペンギンの可愛い石像が置かれている。大の酒好きだったMの墓前に日本酒を置いてきた。

そういえばわれわれが高校生だったとき、教師をしていたMの父親も59歳の若さで死んでいた。Mの父親も大酒のみの人だった。
今頃父子揃って1升ビンを枕に酔いつぶれているかもしれない。

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コメント 4

斗夢

級友に来てもらい墓の主はなにを思ったのでしょう?
酒が増々美味しくなった、とでも云っているのでしょうか?
by 斗夢 (2010-03-25 06:12) 

水郷楽人

呆れ返るほど雨の日が続きますね。今日もまた雨。。どうなっているのでしょうね。
by 水郷楽人 (2010-03-25 07:29) 

mutumin

私も少し下ですが、同じように父母を見送り、同じ年代の友達を見送る寂しさを感じています。
仕方ないことですが、そのたびに逝ってしまった人が可哀そうなのか、残されたものが可哀そうなのか・・・考え込んでしまう今日この頃です。
でも、いつも瞼には元気な頃の映像が思い浮かんで、涙がこぼれそうになるのです。
by mutumin (2010-03-25 08:05) 

kiyotime

臨終図鑑ですか、、面白そうな本ですね。
人の死から何を学べるか。 興味あります、、
by kiyotime (2010-03-29 00:40) 

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