田舎暮らし考

ビジネス雑誌が農業や田舎暮らしを特集する時代になった。変われば変わるものである。

長引く不況、年収の大幅ダウン、リストラ、ぎすぎすした社内の空気と人間関係、そこから逃避するように、癒しを求めるように、わずらわしい人間関係を断ち切るために、田舎暮らしを考えているとすれば、止めたほうがいい。

田舎の人間関係は都会より濃密で、それゆえトラブルを引き起こす確率は高い。
わずらわしい人間関係を断ち切りたければ、むしろ都心のど真ん中のマンションでひっそり暮らすことをお奨めする。死んだとしてもだれも気にかけてくれないから、煩わしさは感じないですむ。

田舎暮らしを楽しむのならば、あえてわずらわしい人間関係を楽しむくらいの覚悟と気持ちがなければならない。
周りの人とうまく接することが苦手な人は、都会に暮らそうが田舎で生活しようが所詮うまくいくはずがない。



田舎暮らしを望む人の多くは自然の豊かさを強調する。
窓の外に広がる山や緑を眺めるだけなら、絵画やＴＶ画面の自然を見るのとあまり変わらない。自然に囲まれたところで散歩を楽しむだけなら、皇居一周や、千鳥ヶ淵や北の丸公園の散策でも相当楽しめる。

山に入ってキノコ狩りがしたければ、千葉、埼玉、神奈川の手入れが行き届いていない雑木林を利用していろいろなキノコを自分で栽培することも可能だ。雑木林にはカブトムシ、クワガタの大型昆虫もいるし、大鷹や雉のような大型の鳥から小鳥までまだまだ数多く生息している。



耕作放棄地は２５％前後に達し、いまはまとまった農地を借りようと思えば借りられる環境にある。空き農地を利用して一家族には十分すぎるほどの野菜を収穫することは可能だ。

田舎暮らしを希望する人は多いが、それを実現している人はほんの一握りである。
希望と実現の乖離がはなはだしい状況は長らくつづいている。その原因の一つに距離的に遠い田舎を想定しているからだろう。
いくら目の前に豊かな自然が広がっていようと、主体的に能動的に自然との係わり合いをもたなければ、遠い田舎も身の回りの自然も大して違いはない。

｢トコトコ農園｣の周囲にはまだまだ豊かな自然が残っている。都心から１時間圏内で憧れの田舎暮らしを実践することが出来る。勤めていても週末田舎暮らしが実現できる。
ようは漠然と希望しているだけではなく、直ちにアクションを起さなければ、希望と実現の乖離はいつまでたっても埋まらない。

タグ：田舎暮らし　週末農業　キノコ狩り　昆虫トリ　自然　景観

コメント 7

東北の片田舎の農家に生まれた私は、その大変さはわかっているつもりです。
農村の暮らしに夢を持つ人が増えているそうですが、無いものねだりをする人なのではないかと思います。
by 斗夢 (2010-01-17 06:26) 

逃避は逃避でしかないので、建設的な決断ではないですから
止めた方がよいと思います
少し状況は違いますが、当地にも何かを求めてやってくる方々が多数居ます
とけ込もうとしない（できない）方達は不平を言って去っていくようです
by ちょっとピンぼけ (2010-01-17 10:11) 

そうですよね。地域で生きていくと言うことは
そういうこと。田んぼだって畑だって、工場で
はないのですから。その田んぼも畑もお隣さん
と地続きなのですから、、、、。

by kjisland (2010-01-17 18:04) 

実際装なんですよね。自分→田舎みたいな感じがするけど田舎に行けば
行くほど調和が必要なんですよね・・・
by smile (2010-01-17 19:02) 

なんとも冷静なご意見で、興味深く読ませて
いただきました。　
私はこれまでにいろいろな地域に出張しましたが、
田舎とか都会に関係なく、その地域やコミュニティに
よってこうも違いがあるものかと日々痛感しています。
引き蘢れば楽なんだろうけど、それじゃあね、、、
by kiyotime (2010-01-17 19:08) 

nice&ご訪問ありがとうございました！
これからもよろしくお願いします
by lock (2010-01-17 23:37) 

コメントを頂いた皆様へ
コメントありがとうございました。実は私自身は東京生まれ、東京育ちで、田舎暮らしを体験していません。ただ、いろいろ回って、田舎暮らしをしている都会人の暮らしぶりを取材してきました。成功例、失敗例を聞いてきました。失敗例の典型は田舎を自分勝手に理想化してしまい、現実とのギャップに幻滅してしまう人が多いようです。
この例は二地域居住、海外移住にもおそらく当てはまるのではないでしょうか。
といいながら、私は田舎暮らしを好ましいといまでも思っていますし、いまだにあこがれています。



by nougyoujin (2010-01-18 00:24)