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奈良の地名 [身辺雑記]

大阪単身赴任時代の唯一の楽しみは週末の日帰り旅行だった。

古代史好きの私にとって、関西圏には格好の散策場所が山ほどある。
週末の二日間はまるまる自由に使える時間だった。そこで早朝からよく出かけたのが奈良である。
奈良は古代史愛好家にとっては垂涎の的である。奈良が京都と異なるところは、良くも悪くも観光化されていない点だろう。名所旧跡でも訪れる人が京都に比べ少ないところがいい。しかし、その分交通の便が恐ろしく悪い。
京都が新幹線、JR在来線、阪急、京阪、京福鉄道、そして市内バス、タクシーと観光客には至れり尽くせりだが、奈良はJRと近鉄の二線しかない。しかも両線ともかなりなローカル線だ。

奈良の奥座敷、吉野や長谷寺・室生寺周辺などの観光は出来れば1泊したい。
奈良はどこも印象深かったが、特に山辺の道を天理から桜井まで徒歩で南下したのが忘れられない。右手に大和盆地を見下ろし、歩き疲れると秋の弱まった日差しを浴びながら、ごろんと草に横たわるのが最高だった。空はあくまで高く、青い。前方後円墳越しに眺める大和盆地。そこに繰り広げられた古代の歴史を反芻していると、時間のたつのを忘れてしまいそうになる。

t_20090923IMG_3182.jpgt_20090923IMG_3246.jpg

出発地点の天理市内で最初に訪れたのがあの物部氏の氏寺である「石上神宮」、山辺の道はJR桜井線にほぼ並行しているが、天理駅から三つ目の駅が「巻向」駅、駅の目の前に広がる畑全体が「纏向遺跡」、駅近くには卑弥呼の墓とみなされている「箸墓古墳」、日本書紀にはこの墓に葬られたのは「倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)」とあるが、早口言葉のようで舌がもつれてしまいそうだ。

20080105yamanobe7.jpgt_20090923IMG_3234.jpg20091129yamanobe56 箸墓.jpg20091114makimukuIMG_591 まきむく.jpg

さらに南下していくと「大神神社」にたどり着く。日本で最も古い神社で三輪山をご神体にした神社だ。ここで家内安全を祈願してもらったが、さすが格式高い神社で、お払いを受ける際、雅楽隊が生演奏して、それにあわせて3人の巫女が舞を踊るという本格的なものだった。次に別室に案内されて、お払いの札を恭しく受け取った。

以後、「大神神社」には2度訪れ、ご神体の三輪山にも登らせてもらった。
「大神神社」から終着地の「桜井駅」は程近いが、その間に古代の市場で有名な「海石榴市」跡がある。

20071028yamanobe058 大神神社.jpg20071028yamanobe059 大神.jpg


奈良は「明日香」、「斑鳩」、「葛城」方面にも足を伸ばした。そこでもいくつか難解な読み方をする地名、史跡名に出会うことになる。

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コメント 4

pace

日吉館があったころには年に数回訪れていたのですが
常宿が無くなると足が遠のきました
またゆっくりと訪れたくなりました
by pace (2010-01-22 02:57) 

nougyoujin

paceさん
コメントありがとうございます。
日吉館のすき焼きの味はどうでしたか?
by nougyoujin (2010-01-22 09:13) 

ラブ

山辺の道、サイクリングしたことあります。
奈良は、京都みたいに1ヵ所に集中してお寺や遺跡が
ない分、静かですが、不便なんですよね(><)
by ラブ (2010-01-22 14:44) 

pace

すき焼きの話は有名なのですが、あまり記憶にありません(笑)
混んでいるときには、若輩者の私などは廊下に寝ていました
日吉館のお話をして、判ってくださる方がいて嬉しかったりします
by pace (2010-01-22 16:40) 

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